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心霊探偵八雲 another files いつわりの樹    2013/08/04


心霊探偵八雲 another files いつわりの樹

2013/08/04更新  ≪神永学≫ ≪角川文庫≫ ≪2013年発行≫ ≪2013/08

心霊探偵八雲 another files いつわりの樹

『心霊探偵八雲 another files いつわりの樹』
神永学著 角川文庫


八雲が可愛すぎて、生きるのが辛い。

人気シリーズである、心霊探偵八雲の番外編。
同じ番外編であるsecret files絆とはまたちょっと違った観点を持つ、まさにanother filesです。
初めて読んでも支障が無く、全部読んでると思わずおお〜っとなる、と感じました。

まず、八雲シリーズについて。
若い世代の支持を集めている人気シリーズです。
ジャンルとしてはタイトルにある通り探偵物なのですが、他と一線を画す部分があります。
それが、心霊という部分。
このシリーズでは、幽霊の存在を全肯定しています。
主人公の八雲には幽霊が見え、会話をする事が出来ます。
その霊たちを救うため、霊たちの話を聞いて、事件を解決していきます。
被害者の霊だったり、昔に殺され、怨念を持ち続けている霊だったりと、様々な幽霊が出てきます。
しかし、「霊が直接危害を加えることは決して無い」という理念と設定があり、
単なるホラーではなく、むしろ人間ドラマや、八雲の謎解きの面白さが目を引きます。
また、被害者の霊から犯人を聞いて万事解決!なんて簡単なものじゃなく、
様々な謎を捜査を通して解きほぐしていくという、本格的な推理が楽しめます。
推理と心霊を上手く組み合わせたすばらしい作品になってます。


さて、この番外編。
2008年に舞台化された際に書かれたものを小説化したものです。
本編の最新刊と比べると、もう5年も前の話なので、
あのキャラがまだ出てきてない!とかがあります。
そして、本編の主軸である八雲と、黒幕である赤い眼の男との対決が、
この番外編にはありません。
赤い眼の男と関係ないところでも、彼らはこんな事件に巻き込まれていたんですよ、
というような感じの話です。

しかし番外編とはいえ、彼らは相変わらずいい味を出してます。
晴香は厄介ごとを持ち込み、
八雲が皮肉を言い、
後藤は八雲に弄ばれ、
石井さんはよく転ぶ。
彼らのいいチームワークで、徐々に事件が真相に迫っていく感覚はまさに本格ミステリー。
赤い眼の男とのしがらみがないので、むしろ純粋に謎解きを楽しめます。
そして、相変わらず八雲と晴香の関係性がイイ!
なんだかんだと文句を言いつつ、晴香のため、
そして幽霊を含む人のために動くというツンデレっぷりがたまりません。

そして、今回の話の主軸は、なんと石井さん。
本編では大分カッコイイところも増えてきた石井さんですが、
この時期はまだなよなよしてる感じです。今もか。
個人的にすごく好きなキャラクターなので、彼の過去に触れられて感慨深くなりました。
ああ、石井さんが強くなっていった要因の一つは、
もしかしたらこの事件でもあるのかなぁ、とも思います。

これを舞台でやってたんだと思うと、どういう演出をしてたのかなぁと色々想像して、
それはそれで面白かったです。
また舞台化するので、そちらは見に行こうと思っています。

本編にはあまり関係が無く、しかしキャラクターが生き生きとしていて、
そして石井さんという人間を掘り下げる、すばらしいanother filesです。
本編シリーズとあわせて、どうぞ。


 



◎本れびゅ。

作者

岡崎琢磨
小野不由美
神永学
大崎梢
辻村深月
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出版社

角川文庫
講談社
新潮文庫
文芸春秋
宝島社文庫
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発行年

2010年発行
2012年発行
2013年発行
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記事更新日

2013
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