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十二国記 図南の翼    2013/10/22


十二国記 図南の翼

2013/10/22更新  ≪小野不由美≫ ≪新潮文庫≫ ≪2013年発行≫ ≪2013/10

十二国記 図南の翼

『十二国記 図南の翼』
小野不由美著 新潮文庫


以前、新刊の丕緒の鳥を紹介したばかりですが、新装版が出たので紹介します。
十二国記の中で、私の一番のお気に入りです。


十二国記シリーズは、それぞれ特色があります。
異世界へと飛ばされた少女を描くダークファンタジーであったり、
王にスポットを当てた国を統治する政治の話であったり、
麒麟にスポットを当てた少年の成長の物語であったり。
その中に基本的に描かれているのは、絶望的な暗い話の中で、希望に向かう流れ。
そのカタルシスが最高に気持ち良い物語です。


そんな中、この話は少し違います。


図南の翼は、昇山を目指す少女の、正統派冒険譚。
主人公は、首都に住む商家の娘、まだ10歳そこそこの少女、珠晶。
荒廃する国を案じながらも、自ら王になろうという気概の無い大人たちにうんざりし、
「ならばあたしが王になるわ!」と、珠晶は王になるために黄海への旅に出る。


この話が好きだという理由は多数ありますが、
一番の理由は、全体的に明るい雰囲気がある、ということです。
話の主題のためでもあるのですが、珠晶のキャラクターがとにかくハツラツとしていて、
つい応援してしまうような、見ていて楽しい、明るい気持ちになります。

普通なら、絶望的な旅路の話。
他のシリーズにあるような暗い雰囲気も、珠晶のキャラクターもあって明るく感じ、
その中でも絶望から希望へのカタルシスを忘れない、すばらしい作品です。


前にも読んだことはあったのですが、新装版を購入して改めて読み返しました。
やはり何度読んでも珠晶のキャラクター、彼女の旅路にはとてもわくわくします。
さらに、最初に読んだときには気付かなかった事にいくつも気付きました。
ああ、珠晶の旅にはこんな意味があったのか!ここで迎えに来た理由はそうか!
すべての出会い、事柄には意図があった!
と、天帝の意向を改めて認識し、話の上手さに感動しました。


また、ファンなら思わずにやりとしてしまうであろうシーンが盛り沢山。
黄海での、まさかのあの人との出会い。名を聞いたときに思わずうなりました。
最後にわかる、彼の正体。怪しいとは思ったけど、まさかそういう人だったとは!
迎えに来た彼に対する、珠晶の最後の一言。さすが珠晶!
どれも印象的で素敵なシーンです。


十二国記シリーズはどれも面白いですが、暗い雰囲気がダメだという人はいるでしょう。
そんな人には、この図南の翼はオススメです。

国や王、麒麟の設定がちょっとわかりにくいかも知れませんが、
それでも丁寧に物語が描かれているので、初めての人でも十分楽しめるでしょう。


 



◎本れびゅ。

作者

岡崎琢磨
小野不由美
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出版社

角川文庫
講談社
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発行年

2010年発行
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記事更新日

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