本れびゅ。

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スロウハイツの神様

2013/09/01更新  ≪辻村深月≫ ≪講談社≫ ≪2010年発行≫ ≪2013/09

スロウハイツの神様

『スロウハイツの神様』
辻村深月著 講談社文庫


読後の感想は、「してやられた!」


紹介してくれてた友人曰く、
「後半になって、会社があるのに徹夜で読んでしまった」という面白い小説。
それは楽しかろうと思いながら、読み始めました。


新鋭の脚本家赤羽環、中高生に人気の小説家チヨダ・コーキを中心に、
漫画家、映画監督、画家などクリエイターの卵が集まる、スロウハイツ。
現代版トキワ荘といえるアパートで繰り広げられる人間ドラマ。
全体の中心人物として赤羽環が居ますが、小説としては章ごとに注目する人物が異なり、
オムニバスのように話は進んでいきます。


この小説で面白いなーと思ったのは、人間の描き方。
ピックアップしている人物の描写は丁寧ですが、それ以外の人物はさらっと流し、
読者の想像に任せてテンポよく読める作りになっている…と思いきや、
後半に行くにつれて、さらっと流した部分が重要になってくるという、
なんとも憎い演出があります。

友人からも「後半の伏線回収がやばい!」「読み返すとわかる仕掛けがすごい!」
といわれていたにも関わらず、読後「してやられたなー!」と呻いてしまいました。
わかっててもはまる罠はすごい。


読み終わった時はその仕掛けに圧倒されましたが、それだけじゃなく、
それぞれの話もなかなか面白い人間ドラマです。
一応クリエイターとして活動していた人間として、赤羽環の発言は胸に刺さりましたし、
円屋には胃がキューっとなる思いをしました。

スーの話は、知人に似たような女の子がいたので、
ああ、こういう心理だったのかと妙に関心してしまいました。
そういう人間ドラマとともに、スロウハイツ全体に関わる事件が進行していく、
その話の流れが素晴らしい小説です。


で、重要なのはスロウハイツの「神様」。
最後にこの話になって、ニヤニヤワクワクが止まりませんでした。
ここもまた憎い演出です。

そして読み終わった後、友人と仕掛けについて語るのがとても楽しかったです。
シナリオが良し、仕掛けが良し、読み返して良し。面白い本でした。


他の本も面白いらしいので、今後も辻村さんの小説を読んでいきます。


 



◎本れびゅ。

作者

岡崎琢磨
小野不由美
神永学
大崎梢
辻村深月
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出版社

角川文庫
講談社
新潮文庫
文芸春秋
宝島社文庫
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発行年

2010年発行
2012年発行
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記事更新日

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