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喫茶店タレーランの事件簿  また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を    2013/12/09
プリティが多すぎる    2013/08/23


喫茶店タレーランの事件簿  また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

2013/12/09更新  ≪岡崎琢磨≫ ≪宝島社文庫≫ ≪2012年発行≫ ≪2013/12

喫茶店タレーランの事件簿  また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

『喫茶店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
岡崎琢磨著 宝島社文庫


つまらなすぎて逆におもしれぇwwww…と思ってました。最初は。

※今回色々ディスりますが、出来れば最後までお読みください。

ちょっと前から、本屋の一番目立つところに平積みされていたこの本。
いまだに本書や続編は、本棚の前のところに平積みになっています。

初めて見かけて真っ先に思い浮かんだのは、「ビブリア古書堂の事件手帖」。
タイトルの感じといい、画風は全く違いますが表紙の雰囲気といい、
意識してるのかなぁと思い、ビブリア古書堂の二番煎じ的なもんかとも感じました。
しかしその後もずっと目立つところに置かれ続けていたので、
きっと面白いのだろうと思ってました。二番煎じっぽかったから手を出さなかったけど。

しかしある日、ブックオフの安売りコーナーにすら、
「今読みたい注目の本!」見たいな感じで目立つように設置されていて、
よし、安いしそんなに勧めるなら読んでやろう!と思い衝動買いしました。
最初は正直期待していませんでした。

で、読み始めてしょっぱなから、思わず失笑。
内容は割愛しますが、
探偵役の切間美星「これはそういうことなんでしょう!(キリッ)」
助手役のアオヤマ「な、なんでわかったんですか!?すごい!」
というやり取りがありまして。
その推理が「そんなことにしてたら誰でもわかるわ!」っていうか、
「そんな変な感じにはしねぇよ!」っていうツッコミどころ満載な出来事でして。
わかりやすい謎、別に大したこと無い推理、
そしてそれをドヤ顔が浮かんでくるような文章で盛り上げようとしてくる。
文章の端々から感じる、「これかっこいいやろ!」「面白いやろ!」感に思わず苦笑。
「小説をかじり始めたばかりの、中二とは言わないけど、
高二くらいの人が勘違いして書いた小説」
と、そんな風に感じました。
その後も、あまりにもご都合主義な事件とチープな謎解き、ドヤァ感が続き、
そして不自然な決め台詞までもがドヤ顔で決められる。
あまりの高二臭さに「つまらなすぎて逆に面白いwww」と思って読み進めました。

第一話までは。

第二話からは一転。別の人が書いたんじゃないかって思うくらい面白くなります。
相変わらず事件はミステリーというよりヒューマンドラマ的な日常的な感じで起こります。
が、推理がとても面白くなってきます。
美星とアオヤマの、気持ちの良い会話劇で繰り広げられる推理がなかなか爽快。
最初のチープさやドヤァ感が全く無くなり、キャラクターたちに魅了され始めました。

そうなってくるともう止まりませんでした。
キャラクターたちの会話を楽しみながら話を読み進めていくと、あるとき物語は一転し、
伏線回収とどんでん返しの連続に。
そして最後には、
「最初に失笑していたドヤァ感までもが伏線だったっ!」
と思うような、気持ちの良い、すばらしい終わり方をします。

読み終えた後、私は床に本を置きました。
そして半歩下がり、ゆっくりと膝を付き、両手を前に付き、頭を床に付けて言いました。
「ディスってごめんなさい。」
自分でも、こんなに自然に土下座が出来るなんて思いませんでした。
素直に感服。

正直いうと、話自体はそこまで感動するほど面白いというものじゃないと思います。
キャラクターの軽快な会話が気持ちよく、ドラマとしてぼちぼち面白かったです。
でも、最初からのギャップが一番すごかった。
良い気持ちにさせられる「してやられた感」。これにやられました。

最初は読みづらいと思います。でも、もし手に取ったなら100ページくらい読んでください。
きっと面白いと感じるようになると思います。


でも、決め台詞のドヤァ感だけは最後まで苦笑してました。すみません。


 




プリティが多すぎる

2013/08/23更新  ≪大崎梢≫ ≪文芸春秋≫ ≪2012年発行≫ ≪2013/08

プリティが多すぎる

『プリティが多すぎる』
大崎梢著 文芸春秋


どピンクで、ハートやリボンなどでデコレートされたような表紙に、
「なんじゃこりゃ」と思う読者も多いと思います。とくに男性は。
私も最初そう思ったんですが、あらすじを聞いて納得。
そして興味を持ちました。

ローティーン雑誌の編集に異動になった主人公が、
専属モデルたちと触れ合いながら成長していくというお話です。

知らない世界を知るというところに、職業物の面白さはあると思います。
ローティーン雑誌の話なんて聞いた事も無かったし、
そういう雑誌の専属モデルの事なんて考えた事も無かったので、
まずそこに興味を惹かれました。
可愛いモデルの撮影会など、楽しい話なんだろうなぁと思ってました。

が、読んでみてビックリ。
そこにあるのは、見た目からは想像も付かない、シビアな世界。
主人公を、社会では当然ともいえる理不尽が襲います。
そして、編集者としていろんな失敗や挫折を経験します。
モデルたちも、中学生の頃からモデルという過酷な競争社会に自ら飛び込み、
悔しい思いをしながらも、仕事ではニコニコ笑って撮影に向かう。
他にも、カメラマンやスタイリストなど、雑誌に関わる色々な人々も描かれていて、
みんながそれぞれの仕事に向かう真剣な姿に、心を打たれました。

きっと多くの人が味わったことのある、苦労や挫折、失敗や成功など、
いろんな事を思い出してしまい、胸が苦しくなったり、楽しくなったりして、
最後には思わず涙が出ました。

もちろん、読者層の特殊性や、撮影などの大変さ、
中学生モデルたちの大変さなど、職業物として大変面白い出来になってます。

この世界は、甘くも可愛くも無い。
でも真剣な姿が美しく見える。
頑張ろう、と素直に思える。そんな一冊でした。


 



◎本れびゅ。

作者

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